脱毛、剃毛の歴史

04.03.14 / Author:

今ではもうすっかり馴染み深くなった脱毛ですが、そもそも体毛と言うのは体を外部刺激から守るための、主に哺乳類の自己防衛手段なわけです。その毛をなくしてしまおうと言うのですから生命活動において非常に逆説的な行為であるとも言えます。

遠い昔の人間の祖先は毛むくじゃらで、今よりももっと体毛が濃い生き物でした。それが進化を遂げるにつれてだんだんと体毛は薄くなってきており 、一説によると未来の人間の姿は頭でっかちツルツル肌の宇宙人タイプなのだそうですね。そう思えば、すね毛や腕毛がもとから薄いことも多いといわれる最近の草食系男子なんかはかなりの進化系とも言えますね。

今では男女問わずムダ毛処理が意識されて、脱毛も一般的な行為ですが、実は体毛を剃ったり抜いたりする行為というのはかなり昔から世界中で行われてきているのです。

考古学的には2万年ほど前から鋭利な石器や貝殻を用いて削り取るように体毛を剃っていたという説があるそうで、脱毛は現代人だけの行為ではなかったのですね。脱毛剤も美観や宗教的な目的を理由として紀元前4~3世紀の頃から存在していたそうです。

香料を混入した粘り気のあるペースト状態の油脂や澱粉を肌の上に転がして脱毛する方法などもありました。この方法は現代でも体毛を不浄と位置付ける宗教で婚姻の際などに花嫁に用いられ、受け継がれています。

紀元前3世紀頃のシュメール人はピンセットのような毛抜きを用いて脱毛し、古代アラビア人は縄を体毛の上に転がして縄目のねじりを利用して脱毛していたそうです。想像しただけでもかなり痛そうですが、現代の脱毛アイテムのシステムと大分似通ったところがあって面白いですね。

古代ギリシャやローマでも女性は体毛の除去を行っていたようですし、紀元前70~30年頃のクレオパトラの埋葬品の中にも青銅製の剃刀があって、砂糖と蜂蜜や蜜蝋を練ったものと一緒に剃毛に使用されていたことがわかるみたいです。

また、毛のない状態を保つ文化は女性だけのものでもなく、やがて男性も髭を剃ることが当たり前となり、他の部分の体毛を除去する男性も現れるようになって、主に高貴な地位を表すステータスシンボルとされてきたようです。文献によるとローマ時代の公衆浴場では、男湯で毛を抜くときの痛々しい叫び声がうるさい!!なんていう記録も残っているそうで、人間の美に対する意識は昔から受け継がれていたのだということを推し量れますね。

そして平安時代(8~12世紀)の日本でも脱毛の文化は定着していたようで、ぴったりと噛み合うハマグリの外縁部をピンセットのように使って、額の生え際を整えるため毛を抜いていたそうです。額の生え際の何らかの脱毛処理は13世紀頃の英国女王の肖像画からもわかっているようです。

体毛を処理したいという人間の欲求は現代だけに限らず、遠い昔から受け継がれてきた進化への本能なのかもしれませんね。

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